英国製のスーツがどのようなものか群馬のオーダースーツショップがお教えします。

2023.05.09

イギリス製のスーツは、その独自のスタイルや伝統的な製法によって、世界的に高く評価されています。イギリスのテーラリングは、歴史的な背景や社会的な要因に影響を受け、他の国々とは異なる特徴を持っています。以下では、イギリス製のスーツの特徴に焦点を当て、その歴史、デザイン、製造プロセス、そして影響力について詳細に説明します。

イギリス製スーツの歴史

イギリスのテーラリングは、19世紀において本格的に発展しました。当初は馬術や狩猟などのアウトドア活動に適した衣服を製造することが主眼でした。この時期に生まれたスーツは、後に都会の紳士たちにも受け入れられ、徐々に普及していきました。

ヴィクトリア朝時代には、スーツは細かなディテールやシルエット、そして豪華な生地で特徴づけられるようになりました。イギリスの上流社会では、個々のスタイルや家族ごとのテーラーといった伝統が生まれ、スーツのオーダーメイドが一般的になっていきました。

20世紀初頭には、サヴィル・ロウ(Savile Row)が世界的なテーラリングの中心地となりました。サヴィル・ロウのテーラーたちは、高い技術力と独自のスタイルで名を馳せ、国内外からの顧客を引き寄せました。この地域は今でもイギリスのテーラリングの象徴であり、数々の名門テーラーがその伝統を受け継いでいます。

イギリス製スーツのデザイン特徴

1. シングル・ブレステッドとダブル・ブレステッド

イギリス製スーツの特徴的なデザインの一つに、シングル・ブレステッド(Single-Breasted)とダブル・ブレステッド(Double-Breasted)のスタイルがあります。シングル・ブレステッドは、前開きが一列のボタンで構成され、クラシックで洗練された印象を与えます。一方、ダブル・ブレステッドは二列のボタンが特徴で、しばしば堂々とした雰囲気を醸し出します。

2. ノッチド・ラペルとピークド・ラペル

ラペル(襟)のデザインも重要な特徴です。ノッチド・ラペルは一般的であり、シンプルで使いやすいスタイルを提供します。一方、ピークド・ラペルはよりフォーマルであり、ダブル・ブレステッドのスーツによく見られます。このデザインは、クラシックなウェディングスーツや夜のイベントに適しています。

3. ハイ・アームホールとシェイプド・ショルダー

イギリス製スーツは、ハイ・アームホールとシェイプド・ショルダーが特徴的です。ハイ・アームホールは、袖の付け根が高い位置にあり、スッキリとしたシルエットを生み出します。シェイプド・ショルダーは、肩に程よいパッドがあり、体のラインにフィットするように設計されています。これにより、スーツは洗練された印象を持ちつつも、動きやすさも確保されます。

4. フラップ・ポケット

ポケットのスタイルもイギリス製スーツの特徴の一つです。フラップ・ポケットは、ポケットの口元にフラップ(ふた)があり、スーツにクラシックでエレガントな雰囲気を与えます。これは、ビジネススーツやドレススーツでよく見られます。

5. ツータック・トラウザーズ

イギリス製スーツのパンツは、ウエスト部分にツータックが施されることがあります。ツータックは、ウエスト部分に2つのたるみ(タック)を持たせるデザインで、裾に向かってやや広がりをもたせることが一般的です。これにより、動きやすさと足首の広がりを持たせたクラシックなスタイルが生まれます。

6. カスタムメイド

イギリス製スーツのもう一つの大きな特徴は、カスタムメイドの伝統が根付いていることです。多くのイギリスのテーラーは、顧客の体型や好みに合わせてスーツをオーダ

ーメイドすることに長けています。カスタムメイドのスーツは、顧客の体型に合わせて作られるため、理想的なフィット感と着心地を提供します。テーラーは顧客と直接対話し、生地の選択からデザインの細部までを共に決定します。この個別のアプローチにより、スーツは最終的には一人ひとりに合わせた特別なものとなります。

イギリス製スーツの製造プロセス

イギリス製スーツの製造は、手仕事と職人技術が中心となっています。以下は、一般的な製造プロセスの概要です。

1. 採寸とカウンセリング

カスタムメイドのスーツの製造は、まず最初に顧客の体型を正確に採寸することから始まります。テーラーは顧客とのカウンセリングを通じて、スーツの用途や好み、スタイルなどについても確認します。これにより、最終的なスーツが顧客の期待に応えることができるようになります。

2. パターンの作成

次に、採寸結果を元にパターンが作成されます。パターンは、顧客の体型に合わせて裁断され、最終的なスーツの形状を定義します。この際、ハイ・アームホールやシェイプド・ショルダー、ウエストの位置など、イギリス製スーツの特徴が反映されるように注意深く作業されます。

3. 生地の選択

顧客とのカウンセリングを基に、適切な生地が選ばれます。イギリス製スーツでは、高品質で上質な羊毛がよく使用されます。生地の種類や色、柄は顧客の好みや用途に合わせて決定されます。

4. 手縫いと機械縫い

裁断された生地は、手縫いと機械縫いが組み合わさる工程に進みます。手縫いは、特に細部やデリケートな箇所において使用され、職人の手による繊細な仕上げが施されます。機械縫いは、効率的に縫製を進めるために利用されますが、手縫いとのバランスが取られています。

5. 仕上げとフィッティング

スーツの縫製が完成したら、最終的な仕上げとフィッティングが行われます。テーラーは顧客にスーツを着用してもらい、細かな調整や修正が必要な部分を確認します。これにより、スーツが完璧なフィット感を持ち、顧客が納得いくものとなります。

イギリス製スーツの特有の生地

イギリス製スーツには、独自の生地がよく使用されます。以下に、代表的なイギリス製スーツの生地についていくつか紹介します。

1. ウール

ウールはイギリス製スーツにおいて最も一般的で重要な生地です。上質で柔らかな羊毛が使われ、通気性がありながらも保温性が高いのが特徴です。これにより、四季折々の気温や気候に対応できるスーツが作られます。

2. ツィード

ツィードは、イギリスの伝統的な生地として知られています。草地や山岳地帯でのアウトドア活動に適した硬めの生地であり、風合いや柄が特徴的です。ダブル・ブレステッドのスーツやジャケットによく使用されます。

3. フラネル

フラネルはウールの一種で、柔らかな手触りと微細な毛羽立ちが特徴です。クラシックなビジネススーツやドレススーツによく用いられ、上品な印象を与えます。

4. ウーステッド

ウーステッドは、繊維が細く緻密な織り模様を持つ生地で、ビジネススーツに適しています。シングル・ブレステッドのスーツなどでよく使用され、シャープで洗練された印象を与えます。

イギリス製スーツの影響力

イギリス製スーツは、その伝統的なスタイルと高いクオリティにより、世界的に影響を与えています。以下は、その影響力についての要点です。

サヴィル・ロウは、ロンドンにあるテーラリングの中心地であり、世界的に有名です。ここには歴史あるテーラーが軒を連ね、彼らの手によって織り成されるスーツは、最高の品質とクラフツマンシップを象徴しています。サヴィル・ロウのテーラーたちは、王室やセレブリティからの顧客も多く、その影響力はテーラリング界全体に及んでいます。

2. 独自のスタイルとアプローチ

イギリス製スーツは、他の国々と比べて独自のスタイルとアプローチを持っています。クラシックでありながらも洗練されたデザイン、シャープなシルエット、そして上質な生地の組み合わせは、多くのファッション愛好者に愛されています。イギリスのテーラリングは、その優雅で知的な雰囲気が特徴であり、これがスーツの中でも異彩を放っています。

3. カスタムメイドの伝統

カスタムメイドの伝統は、イギリス製スーツの大きな強みです。個々の顧客に合わせて製作されるスーツは、他では得られない最高のフィット感と快適さを提供します。この伝統的なアプローチは、テーラリングの芸術として尊重され、イギリス製スーツの高い評価につながっています。

4. ハイエンド・ブランドとの協力

多くの高級ブランドが、イギリスの名だたるテーラーと協力してスーツを生産しています。これらのコラボレーションによって生み出されるスーツは、高い品質とブランドのアイデンティティを融合させたものであり、世界中で高い評価を受けています。

5. 着こなしの幅広さ

イギリス製スーツは、クラシックでフォーマルなスタイルからカジュアルな装いまで、幅広いシーンに対応しています。これは、テーラリングの職人たちが柔軟性を持ち、様々なスタイリングに適応できるような設計を心掛けているからです。ビジネスからカジュアル、ウェディングまで、あらゆる場面でイギリス製スーツが愛用されています。

まとめ

イギリス製スーツは、その歴史、デザインの特徴、製造プロセス、そして影響力において世界的な評価を受けています。サヴィル・ロウを中心としたテーラリングの職人たちが守り続ける伝統とクオリティは、他の追随を許さない存在となっています。独自のスタイルやカスタムメイドの伝統は、多くのファッション愛好者にとって魅力的で、イギリス製スーツは高級ファッションの一翼を担っています。

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